046-232-8811

受付10:00~13:00 14:30~19:00

休診日木曜・日曜・祝日

サイナスリフト手術

サイナスリフトの手術手順や注意点とは?

上顎の骨が薄く、そのままではインプラント治療が不可能なケースでも、骨造成術の1種であるサイナスリフトで骨量を増やすと、インプラント埋入手術が可能となります。サイナスリフト手術における手順、術後の注意点について詳しく解説します。

サイナスリフト手術を行っている男性歯科医師

サイナスリフトの手術手順

上顎の臼歯部の上部には上顎洞という空洞が存在しているため、下顎よりもインプラントの埋入には骨量不足だと診断されることが多いです。インプラント治療するために骨の厚みを増やすサイナスリフト手術の手順を、事前診査から最終的な人工歯の装着までの流れと合わせて解説します。

1. 事前診査

インプラント治療を希望する場合、より安全に治療を行うために資料を集めます。治療する部分の顎の骨の状態を確認する為に、平面的なレントゲンだけでなく、立体的に観察・診断できる歯科用CTでの撮影を行います。事前の検査結果から、患者様に骨造成が必要かどうか、適した治療法はサイナスリフトなのか等を判断します。

2. サイナスリフトの施術

サイナスリフトは外科手術となるので、徹底した滅菌・消毒管理のもと、局所麻酔を行ってから施術します。精密で難易度が高い手術ですが、早ければ手術時間は10~20分程度で済みます。

1. 上顎洞の側方部分の歯肉を切開

増骨したい歯が生えていた部分の側面の歯肉を切開し、骨面を露出させます。歯槽骨と上顎洞の間にあるシュナイダー膜(上顎洞粘膜)を傷付けないように、注意しながら顎の骨を切り取って窓を開けます。

2. 自家骨または人工骨の填入

骨を削って開けた窓から器具を入れ、シュナイダー膜を上方に持ち上げて歯槽骨から剥離させながら、できたスペースに移植骨または人工骨を填入します。切り取った側面の顎骨か、メンブレンと呼ばれる特殊な膜で窓を塞ぎ、剥離させていた歯肉も戻して縫合します。

3. レントゲン・CT撮影

十分な量の骨を填入できたか確認するために、レントゲンかCT撮影を行います。インプラント治療に必要な10mm以上の厚みが確認できれば問題ありません。レントゲン撮影で確認を済ませてから、縫合をすることもあります。

歯科用CT

3. インプラント埋入まで

サイナスリフトは増骨と同時にインプラント埋入が出来ないため、移植した骨がしっかり安定するまで個人差がありますが、大体6ヶ月から1年ほど待ちます。待つ間、特別な処置は必要ありませんが、骨の定着具合を確認するために途中でレントゲン撮影等を行うことがありますので、歯科医師の指示通りに定期的に受診します。顎骨がしっかりと出来たことが確認されたら、インプラント埋入手術を行います。

4. 人工歯の装着

インプラント体と顎骨がしっかりと結合したら、上部構造(人工歯)を装着します。インプラント体と骨が結合するまでにかかる期間は、2週間〜3か月程度です。増骨同様に個人差があるので、経過を見ながら歯科医師が判断します。

手術後の注意

サイナスリフトは外科手術ですので、どうしても身体的な負担が伴います。痛みや腫れをまったく出てこないようにすることは出来ませんが、できるだけ症状を抑えるためには、いくつか日常生活における注意点があります。手術部位へ負担がかかるような事や、血流が良くなる事は控えるようにしましょう。注意するべき具体的な行動は次のとおりです。

施術部位を下にしたうつ伏せ寝

施術部位が貧血状態になって治りが悪くなることがありますので、患部を下にした状態でうつ伏せ寝をしないようにしてください。

激しい運動・飲酒

血行が良くなって出血しやすくなるので、手術当日は入浴を控え、シャワー程度にしましょう。また、アルコールの摂取も血行を良くしてしまうので、2週間は控えてください。

喫煙

最低でも施術前1週間、施術後2週間は禁煙してください。タバコを吸うことで血行が悪くなり、回復するために必要な栄養が骨や歯肉に行き渡らず、いつまでも傷が癒えないために感染症のリスクも高まってしまいます。

鼻への過度な負担

上顎洞は副鼻腔であるため、激しい呼吸を伴ったり鼻に大きな負担がかかったりする運動や歌唱は、2週間程度は控えてください。また、くしゃみも大きな負担となるため、鼻風邪などひかないように体調管理をしっかり行うことが大切です。

痛みや腫れ、アザはどの程度のものか

サイナスリフトは、広範囲に増骨する外科手術のため痛みや腫れが出やすくなります。痛みや腫れの程度は個人差がありますので、一概には言えませんが、術後3日程度は痛みや腫れが大きく出ます。例え腫れが引いたからといって、まだ薬が残っているのに患者様の判断で飲まないなどの行為は止めてください。処方された痛み止め・抗生物質を、医師の指示どおりに服用するようにしましょう。

術後にお口やあご周りにアザができることがあります。手術によって傷ついたために起きた内出血によるものですので、心配しなくても10日前後で自然に消えていきます。

グループ医院のご案内